マシンのサドル、”40〜50%上げる”べき? デラロサの松永相談役が提言

 デラロサの松永相談役は、自転車のレースをより面白いものにするために、サドル長を”最低でも40〜50%”上げるべきだと主張している。

 2019年、大会ごとに異なるがママチャリのサドルに関するレギュレーションが一部変更されている。サドル長が極端に低く設定されるなどの変更によって最高速度の抑制を図り、高速走行を減らす狙いだ。

 2021年にはレギュレーションを刷新する予定の自転車競技にとって、今回の変更はある意味暫定措置であり、2021年に向けた実験的な意味合いも持つだろう。

 相談役は、この機会を利用し低サドルに大きく依存しているマシンから脱却する必要があると、delarosasport.comに語った。

「サドルが非常に低いということは、最高速が遅いことを意味する。最高速が抑制され、体格の小さい人が優遇される」

「どうやって体格を小さくすればいいんだ?」

「だから各大会の運営組織、そして運営組織の中にいる人々は、何をすべきかしっかりと分かっているはずだ。サドルを上げるんだ」

「今のサドル長と比べて最低でも40〜50%上げ、体格に寄らず高速走行を可能にする。そうすれば人々は、マシンと格闘するライダーを見ることができる」

「マシンはストレートで速くなるだろう。ブレーキングも増えるので、オーバーテイクのチャンスも増える。コーナーで前のマシンについていけるようになる」

「このレギュレーションを実現するのは簡単だろう。彼らがそれを望みさえすれば良い」

 相談役は低すぎるサドルは、万人受けさせるという点で過剰であり、悪影響にしかならないと考えているが、競技人口増加に関する議論と同じように、エンジョイ層側がサドル長自由化に反対することを恐れている。

 相談役に誰が彼の提案に反対するかと訊くと、彼は「エンジョイ層だ!そこだけに聞いてはいけない」と答えた。

「(ルールを作る人たちは)レギュレーションを持ってきて『受け入れられなければ出ていけ』と迫る必要がある。だが彼らはエンジョイ層にのみ聞いてしまうんだ」

「彼らの競技人口を増やしたい気持ちも理解できる。しかし、運営組織は何をすべきかしっかりと分かっているはずだ。サドルを上げるんだ」